データ連携とは?メリットや課題・やり方などをわかりやすく解説

企業内にデータ連携のシステムを導入することで、効率的なデータの管理や分析が可能になり、迅速な意思決定や業務効率化など企業にとってさまざまなメリットがあります。本記事ではデータ連携の重要性や導入における課題について解説します。代表的なデータ連携ツールの特徴も紹介しますので導入の参考にしてみてください。

  • 2025/02/17 公開

目次

  1. データ連携とは?
  2. データ連携基盤とは?
  3. データが連携されていないことで生じる問題
    1. データの整合性がとれない
    2. データを組み合わせて活用できない
    3. データの保存場所を探すのに時間がかかる
    4. 手作業による効率性の低下やミスの発生を招く
  4. データ連携のメリット
    1. 複数のデータを組み合わせて効果的に活用できる
    2. 散在するデータを一元管理できる
    3. データの整合性が保たれる
  5. データ連携の課題
    1. データフォーマットが統一されておらず加工に手間がかかる
    2. 他のシステムとの連携に対応できないケースもある
    3. ブラックボックス化のリスクがある
    4. 手作業でも対応できるので必要性が見過ごされることがある
  6. 代表的なデータ連携ツールの種類
    1. ETLツール
    2. EAI(Enterprise Application Integration)ツール
    3. RPA(Robotic Process Automation)
    4. API(Application Programming Interface)
    5. iPaaS(Integration Platform as a Service)
  7. データ連携のやり方・流れ
    1. 1.データの抽出
    2. 2.データの変換
    3. 3.データの登録
    4. 4.連携タイミングの設定
  8. データ連携に関するよくある質問
    1. Q.データ連携ツールにはどんなものがある?
    2. Q.データ連携ツールを選ぶポイントは?
  9. データ連携を導入してビジネスを加速させよう!


データ連携とは?

データ連携とは、異なるシステムやアプリケーション間でデータをつなぎ、データを有効活用する仕組みやプロセスです。企業内の各部門のシステムに散在するデータは、連携されていなければ有効活用できません。データ連携をすることで部門間の情報共有が容易になり、データ分析にも活用できます。加えてデータの可視化が進むため、業務の効率化や、より迅速で戦略的な意思決定が可能です。



データ連携基盤とは?

データ連携基盤には、大きく2つの概念があります。

1つ目は、組織内の異なるシステムやサービス間で蓄積された多様な形式のデータを、編集・共有するプラットフォームのことです。企業内での各種データソースの連携に加え、SaaS(Software as a Service)などのクラウドサービスとのデータ連携も想定されています。

これは、データドリブン経営を推進する上で重要な基盤といえます。データドリブン経営とは、データを基に意思決定を行う経営手法です。データドリブン経営は、蓄積されたデータの分析結果から客観的な判断が可能となるとともに、より迅速な意思決定ができます。

2つ目は、官庁や自治体などが組織横断的にデータを共有・活用する基盤のことです。複数の行政機関間でデータを連携し、行政サービスの向上や業務効率化を目的としています。デジタル庁が主導して整備を進めており、行政のデジタル化の重要な取り組みの1つです。

どちらの場合も、データ連携基盤は組織内外のデータを効果的に活用し、意思決定の質を向上させる役割を果たします。



データが連携されていないことで生じる問題

データが連携されていないと、企業や組織にとっていくつかの問題が生じることがあります。以下、4つの問題について1つずつ解説します。


◾️ データの整合性がとれない

複数のシステムでデータが連携されていない状況では、各システムで異なるデータが保持されてしまうという問題が発生します。たとえば、各部門が別々に管理している顧客情報が更新のタイミングによって異なると、どのデータが正確なのか判断できなくなる、などです。

データの不整合は顧客分析の精度を下げ、意思決定の妨げとなります。正確な顧客ニーズの把握も困難になり、データを効果的に活用できません。データを扱う組織では、システム間でデータを適切に連携し、整合性の確保することが不可欠です。


◾️ データを組み合わせて活用できない

データが適切に連携されていない環境では、データの組み合わせと活用が困難になります。

たとえば、アパレル業で販売管理システムの売上データと、オンラインショップの顧客管理システム(CRM)の顧客データが分断されている場合、顧客の購買パターンや嗜好を分析できません。

在庫管理システムと受注システムの連携が不十分な場合は在庫計画を立案できず、機会損失やコスト増加につながります。

データが連携されていないことで、統合的な分析や深い洞察を得ることが難しくなります。ビジネスの競争力を高めるためには、システム間のデータ連携を実現し、データの効果的な活用が不可欠です。


◾️ データの保存場所を探すのに時間がかかる

データが複数のシステムに分散して保存されている環境では、必要な情報を見つけ出すのに時間と労力がかかってしまいます。

たとえば、顧客の過去の取引履歴を確認しようとしても、営業支援システム、会計システム、顧客管理システムなど、複数のシステムを横断的に検索する必要があります。また、各部門が独自にデータを保管している場合も、目的のデータの特定に時間がかかるでしょう。

データの分散は、情報検索に多くのリソースを費やすことになり、業務効率の低下を招きます。迅速な意思決定や業務遂行のためには、データ保存の環境整備が重要です。


◾️ 手作業による効率性の低下やミスの発生を招く

データを手作業で入力・管理する方法は、多大な時間を要するだけでなく、入力ミスや重複登録などのヒューマンエラーが発生するリスクが高くなります。大量のデータを扱う場合、作業者の負担が増大し、効率性の低下やミスの増加につながります。

また、手作業での管理では、データの更新や修正が必要な場合に、関連する全てのシステムやファイルを確認して更新する必要があり、作業が煩雑になります。

さらに、手作業での管理は属人化しやすく、特定の担当者しか処理方法を把握していない状況にも陥りがちです。担当者の不在時や退職時には業務が滞る可能性があり、組織としての業務継続性にも影響を及ぼす恐れがあります。緊急時の対応や急な業務増加にも柔軟に対応することが難しくなるでしょう。



データ連携のメリット

データを連携することにより、前述した問題の解消につながります。以下、データ連携の3つのメリットを解説します。


◾️ 複数のデータを組み合わせて効果的に活用できる

企業内に分散したデータを連携することで、より深い分析と洞察が可能となります。

たとえば、販売データと顧客データを組み合わせることで顧客の購買傾向をより正確に把握でき、的確なマーケティング戦略を立案できます。また、在庫管理システムと販売管理システムを連携することで、在庫水準を維持しながら顧客ニーズへの迅速な対応が可能です。

アパレル業のデータ連携の例を挙げると、購入履歴のデータと、顧客属性や問い合わせ履歴のデータを連携することで、顧客に合ったメルマガ配信やクーポン発行などのマーケティング施策に活用できます。

データ連携は業務効率化や、顧客満足度を高めるための重要な取り組みといえます。


◾️ 散在するデータを一元管理できる

企業内に散在するデータを一元管理できることも、データ連携の大きなメリットといえます。

通常、企業では各部署において独自のシステムを使用しているため、データが分散しがちです。データを連携すれば、分散したデータを1つの統合された形で管理できます。複数のシステムに存在する顧客情報なども、統合データベースとしてまとめることで迅速なアクセスが可能になります。

たとえば、販売管理システム、物流管理システム、顧客管理システム、マーケティング・オートメーションなど企業の各部署に散在するデータを連携すれば、ほしいデータを探しやすくなるでしょう。部署間の連携促進も期待できます。

また、データ更新を効率化することも可能です。一度データを更新すれば、連携している全てのシステムに自動的に反映されるため、業務効率が大幅に向上します。常に最新のデータを参照できることで、より正確な意思決定が可能となるでしょう。


◾️ データの整合性が保たれる

データ連携によって、システム全体のデータ整合性を確保できます。多くの場合、企業では複数のシステムが並行して稼働しており、各システムで同じような情報を扱うことがあります。各システム間のデータをリアルタイムで共有すれば、データの不一致や矛盾の防止が可能です。

たとえば、在庫管理システムと販売管理システムを連携することで、常に正確な在庫数を把握でき、過剰在庫や欠品を防止できます。

さらに、整合性のとれたデータを基に分析することで、より信頼性の高い分析結果を得られるでしょう。整合性のとれたデータは、経営判断や戦略立案において不可欠です。



データ連携の課題

データの活用に欠かせないデータ連携ですが、進めるにあたりいくつかの課題が存在します。以下4つの課題を押さえ、効果的なデータ連携を進めていきましょう。


◾️ データフォーマットが統一されておらず加工に手間がかかる

異なるシステムから取得されるデータは、それぞれフォーマットが異なる場合があります。そのため、データの加工作業には多大な時間と労力が必要です。データの変換や整形には専門的なスキルが求められるため、担当者の大きな負担になります。

また、フォーマットの違いによる加工作業は、全体のプロセスに遅延をもたらすだけでなく、作業中のエラーリスクも高まります。データフォーマットが統一されていない状況は、データ活用の効率性を著しく低下させる要因の一つです。


◾️ 他のシステムとの連携に対応できないケースもある

異なる仕様や構造を持つシステム同士をつなぐ設計は複雑なため高度な専門知識が必要です。古いシステムではAPI(Application Programming Interface)が実装されていないことやデータ形式が現代の標準規格に対応していないこともあります。

そのため、ベンダーが開発したシステム同士や、レガシーシステムとの連携では互換性の問題や技術的な制約によりスムーズな連携が困難です。これらの設計難易度が高いデータ連携を行う場合には、プロセス全体が複雑化し開発コストの増大や保守性の低下につながるといった課題を乗り越えなくてはなりません。


◾️ ブラックボックス化のリスクがある

外部ベンダーが提供するシステムを利用してデータ連携を行った場合、社内での技術的な知識やノウハウが蓄積されていないと、システムに障害が発生した際の解決に時間がかかり業務に大きな支障をきたします。システムの内部構造が不透明なため運用の柔軟性も大きく損なわれてしまいます。これがシステムのブラックボックス化です。

ブラックボックス化は潜在的な脆弱性の発見を困難にし、セキュリティリスクを高める要因にもなります。これを防ぐためには知識やノウハウを蓄積し、管理する体制を構築することが重要です。


◾️ 手作業でも対応できるので必要性が見過ごされることがある

手作業による既存の業務フローで大きな問題が表面化していない場合にはデータ連携システムの導入は優先度の低い課題として見過ごされがちです。取り扱うデータ量が比較的少ない場合にも優先順位が下がります。

手作業による非効率性や人的ミスのリスクを認識しながらも、システム導入にかかるコストや手間を考慮して現状維持を選択してしまうケースが少なくありません。
結果として、業務効率化や品質向上の機会を逃してしまうのです。



代表的なデータ連携ツールの種類

データ連携を実現するにはどのようなツールを活用できるのでしょうか。ここでは、代表的なデータ連携ツールの種類について紹介します。


◾️ ETLツール

ETLツールとは、データの抽出(Extract)、変換(Transform)、配信(Load)を行うソフトウェアです。異なるシステムやデータベースのデータを抽出、統合し、データウェアハウス(※)やビジネスインテリジェンス(※)の基盤となるデータを作成・配信します。

大量のデータを一括で処理できることが大きな特長です。さらにエラー検知・リカバリー機能により、安定したデータ統合環境を構築できます。

近年ではリアルタイムの連携に対応する製品も増え柔軟なデータ活用が可能です。ただし、APIのないレガシーシステムとの連携には別途対応が必要となる場合があります。

(※)データウェアハウスとは、データを集約し、分析するために使用するデータベースのこと。さまざまなシステムからデータを収集し、時系列に保存する。

(※)ビジネスインテリジェンスとは、企業の意思決定を支援するためにデータを収集、蓄積、分析、可視化するための技術やプロセスの総称。


◾️ EAI(Enterprise Application Integration)ツール

EAIツールは、企業内の複数のシステムやアプリケーション間でデータを連携させるソフトウェアです。各システム内のデータ同士を連携し、オンプレミスシステムからクラウドサービスまで幅広く対応します。

主に少量のデータ量をリアルタイムで連携させることに優れているのが特長です。

新規システムの導入やデータ形式の変更にも柔軟に対応できるため、デジタル化に向けて導入しやすいツールとして注目されています。


◾️ RPA(Robotic Process Automation)

RPAは、主にパソコン上の定型業務を自動化するソフトウェアロボットです。画面上の操作を記録・再現することで人間が行っていた作業を正確に代行できます。

データ入力や転記、ファイル操作、Webからのデータ収集といった反復的な作業の自動化に威力を発揮します。API連携が難しい既存システムでも、ロボットの画面操作によってデータを連携できるため、システム改修なしで自動化を実現できる仕組みです。

画面レイアウトの変更に弱く大量データ処理には不向きであるため、用途に応じて他のツールと組み合わせた活用が推奨されます。


◾️ API(Application Programming Interface)

APIは、異なるソフトウェア間でのデータやプログラム、WEBサービスを共有・連携するためのインターフェースです。ソフトウェアの機能やデータを他のソフトウェアから呼び出す仕組みのことをいいます。

異なるシステム間で通信する際の仕様を定めることで、相互にデータの送受信や機能の利用が可能です。 必要な機能やデータのみを選択的に利用できる特徴があり、目的に沿って柔軟なデータ連携が行えます。開発効率の向上、システム間の互換性確保、セキュリティ管理の一元化などメリットは多くありますが、API提供元でシステム仕様が変更された場合は、利用側での対応が必要となる点に注意が必要です。


◾️ iPaaS(Integration Platform as a Service)

iPaaSはクラウド上で提供されるデータ連携プラットフォームサービスです。クラウドサービス間やオンプレミスシステムとのデータ連携が専用のインフラ構築なしで実現できます。

レシピ型と呼ばれるiPaaSではよく使われる連携パターンがテンプレート化されており、直感的な操作で連携設定ができます。データ更新やユーザー操作をトリガーとしたリアルタイム連携にも対応しています。

たとえば、レシピ型のiPaaSのサービス「Zapier」は、さまざまなアプリケーションを連携させることが可能です。Gmailに新しいメールが届いたら、Slackに通知を送るなどといったことが簡単に設定できます。

低コストで導入でき、運用管理も簡単であることが大きな特長です。また、クラウドベースのサービスのためニーズに合わせて仕様を柔軟に変更できます。

ただし、オンプレミスシステムとの連携や、APIが提供されていないシステムとの連携には制限がある場合があります。



データ連携のやり方・流れ

データ連携を進めるためには、まずデータの現状把握と明確な目的設定が重要です。まず、自社内のデータがどのような状態で誰がどのような目的で利用しているのかなどといった現状を正確に把握しましょう。

現状を把握したのち、工数削減、人為的ミスの削減、データの最適化などの明確な目的を設定し、データ連携に着手します。ここではデータ連携のやり方、具体的な流れについて解説します。


◾️ 1.データの抽出

最初に、連携元となるシステムやファイルからデータを抽出します。抽出はファイル経由での取得やAPI経由での取得など、システムの仕様に応じて適切な方法を選択します。


◾️ 2.データの変換

次に、抽出したデータを連携先のフォーマットに合わせて変換します。文字列の分割・結合、数値計算、マスターデータを参照した置換など、必要に応じて加工処理します。


◾️ 3.データの登録

変換したデータを連携先のシステムに登録します。登録方法は、ファイルのインポートやAPIを使用した登録など、システムの仕様に合わせて行います。


◾️ 4.連携タイミングの設定

最後に、データ連携を実行するタイミングを設定します。手動での実行、毎日・毎週などの定期実行、データ更新時のリアルタイム実行など、業務要件に応じて最適な方法を選択します。



データ連携に関するよくある質問

  • Q. データ連携ツールにはどんなものがある?
    A.データ連携ツールには主に、バッチ・リアルタイム連携に対応する「EAIツール」、大量データ処理に適した「ETLツール」、画面操作の自動化を実現する「RPAツール」、システム間の直接連携を可能にする「API連携」、クラウドサービス間の連携を容易にする「レシピ型iPaaS」があります。要件に応じて最適なツールの選択することが大切です
  • Q. データ連携ツールを選ぶポイントは?
    A.データ連携ツールの選定では、業務規模とデータ量への適合性、システムとの互換性(API対応やデータ形式など)、運用の容易さ(ノーコード対応など)、初期・運用コストと将来の拡張性を総合的に評価します。各ポイントを慎重に検討し、自社に最適なツールを選びましょう。


データ連携を導入してビジネスを加速させよう!

データ連携を企業のデジタル化を促進する上で不可欠な要素です。散在するデータを統合、連携することで、データの一元管理や効果的な活用が可能になり情報を効果的に活用できる環境が整います。データ連携のツールを導入する際は自社の課題を適切に把握し最適なツールを選定しましょう。

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